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あなたの腰痛が治らない理由  その1 腰痛ってよくなるの?

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腰痛。それは日本では患者数が2,800万人もいるといわれている、国民病。

 

厚生労働省の調査でも受診率は男性で1位女性で2位

 

女性は肩こりのほうが多いようですが、同じくらい腰痛を患っている人が多い結果に。

 

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やはり国民病。

 

腰痛の原因はさまざまです。

 

医師の診察によって、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、骨粗鬆症などなど・・・

原因が特定できる腰痛もあります。

 

感染性の脊椎炎、がんの脊椎転移など、生命を脅かす腰痛もあります。

 

腰痛で生命をおびやかす?

今ある腰痛は大丈夫か?

 

と、思う人もいるかもしれません。

 

大丈夫。そのような人は、医師がみれば99%以上の確率でわかります。

医師を信用してくださいね。

 

しかし85%の腰痛は原因不明ともいわれています。

 

この原因が特定できないものを非特異的腰痛と言います。

 

原因がわからないから、私はものすごい病気なのでは?

 

と思う人もいるかもしれません。

 

しかし、レントゲン、MRIで診断がつかないものは、基本的に非特異的腰痛である可能性が高いです。

 

MRIまで撮影しているのであれば、明らかに悪いもの、明らかに生命に関係する重大な病気は診断が可能です。

 

しかも、99%以上の確率で。

 

非特異的腰痛の場合は、できるだけ普段通りの生活をすることを勧められています。

 

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腰痛の治療法もいろいろ。

薬物療法、神経ブロック療法、認知運動療法リエゾン療法、運動、マッサージなどなど。

 

ググると、その他さまざまな治療法があり、どれも実績がある(らしい)ようです。

 

治療しなくても、腰痛症の80%は4週間以内に勝手に治るのですが・・・

 

ただ、疫学調査により、腰痛の患者の15%は慢性腰痛、すなわち3か月以上腰痛を患っているということが分かっています。

 

皆さん治療はどこでしているのか? 

 

3か月以上続く腰痛患者に対するアンケートの結果を見てみると、病院や診療所を受診した人は19%、民間療法を受診した人は20%です。

 

55%の人はどこにも受診しないようです。

 

さらに、病院や民間療法を受診した人の治療結果は、改善した人は12%、少しだけ改善した人が56%、変化しない人が21%です。

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しかも、40%を超える人が治療に満足してません。(Nakamura M et al, 2011)

 

同じく2014年に発表された論文でもほぼ同じ結果でした。(Nakamura M et al, 2011)

 

1万人を超える大規模な研究結果ですし、日本で行われた研究ですので、信頼性があります。

 

はっきり言って、良い結果とは思えません。

 


ググってみると90%以上改善!!と謳っているHPがたくさんあります。

 

おそらく、治療した人を目の前にすると、“よくなりました!!”と、日本人なら言ってしまいそうですね。

 

ちょっと古いですが、2008年に発行されたアメリカのガイドラインでは、集学的学際的リハビリテーション運動療法、鍼治療、マッサージ療法、脊椎マニピュレーション、ヨガ、認知行動療法、または漸進的リラクゼーション(弱い推奨レベル、中程度のエビデンス)を通常の治療にオプションとして付け加えることを推奨しております。


まとめ

  1. 腰痛患者は2800万人もいる
  2. 3か月続く腰痛は慢性腰痛という。
  3. 腰痛の85%は原因不明。
  4. 腰痛で治療しても、あんまり治らない。
  5. 長く続く痛みは徒手療法(マッサージや筋膜リリースなど)のみでは改善しない。

次回から、いろんな視点から“腰痛がなぜ治らないか?”を考えていきたいと思います。

皆さんがお持ちの腰痛の改善の助けになると思います。

 

ではまた。

 

 

使用した論文

Nakamura M et al : Prevalence and characteristics of chronic musculoskeletal pain in Japan. J Orthop Sci. 2011 Jul;16(4):424-32

 

Nakamura M et al : Prevalence and characteristics of chronic musculoskeletal pain in Japan: a second survey of people with or without chronic pain. J Orthop Sci. 2014 Mar;19(2):339-350.

 

Chou R et al : Diagnosis and treatment of low back pain: a joint clinical practice guideline from the American College of Physicians and the American Pain Society. Ann Intern Med. 2007 Oct 2;147(7):478-91.